トリム及び復原性計算書(計画)について

本船の性能を大まかに決定する為、計画段階での計算を行う。
計算書は膨大な量と成るため、形式のみ添付する。

復原性、トリム計算等 (Stability, Trim, etc.) (冨田工学博士著・船舶基本設計論を引用する)
1 復原性(Stability) 
復原性能は直接人命の安全に関連する問題として基本設計上重要な問題で、 近年復原性の基準を国際的に規定しようとする気運もあり、SOLAS において 既に一部が規程として決められている。
復原性の良否は基本的に、主要寸法あるいは船の配置によって決まるが、と くに小型船程復原性能面において限界に近い場合が多いため、その主要寸法の 決定には十分な注意が必要である。
1-1 復原力(Righting Force)

 (1) 初期復原力(Initial Stability)

 船が小角度 theta deg で横傾斜した 場合,(Fig.1)において、 WL, W_{1}*L_{1} 直立時及び傾 斜時の水線


                                FIG.1

 K: 船体中心線における基点
 B, B'
直立時及び傾斜時の 浮心位置
 G: 船の重心位置
 M: メタセンター、 B_{1} を通 る W_{1} L 1 sim emptyset 垂線と、船体 中心線との交点
 Z: Gから B_{1} M sim emptyset 垂線の足
 Δ:排水量
 静的復原力(J-GZ)は、Δ・GZ =Δ・GM・sin θ
 また、GM = KM - KG = (KB + BM) - KG
 で、BMは、BM = I / で表わされ、
 ここに、
 I : 水線面積の縦中心線まわりの慣性モーメント
 ▽
: 排水容積
 船内に液体の自由表面がある場合、見掛けの重心上昇量GG0は、
 GG0=(ρ'/ρ)( i /?? )
 ここに、
 ρ' : タンク内液体の比重
 ρ : 船外液体の比重
 i : タンク内液面の慣性モーメント
 したがって、船内に自由表面がある場合の傾斜角計算には、GMからGG0を減じたGMを用いる。
 また、傾斜モーメント(Mt)が加わる場合の傾斜角θは
 tanθ = Mt / (Δ・G0M) 

 (2) 大傾斜時の復原力 (Stability at Large Heel Angle)
 (Fig.1)において、
 h, h1 : くさび状部の重心、g, g1 より、W1L1への垂線の足
 υ: くさび状部の片側の容積
 とすれば、復原挺(GZ)は、
 GZ = (υ x hh
1)/ - BG・sin θ

 動的復原力=(B1Z-BG)=GZ-dθ 
   =((υ(gh-g1h1)/-BG(1-cosθ)) 
 一定の排水量及び重心位置とし、傾斜角に対して、GZ 及び動的復原力を表 わしたものが(Fig. 2) に示す復原力曲線である。


                           FIG. 2

(Fig. 2)
GZm:最大復原挺
θm:最大復原挺角度
θR::復原性範囲
ab:(面積 oac) 4
直線od GZ 曲線に対する0点での切線
復原力曲線は、重心位置を一定とし、傾斜角ごとに種々の排水量について、 積分器等によって、排水量と中心線まわりのモーメント M を求め、 GZ= M/からクロスカーブを作り、
これに基づいて所定排水量の対応点及び重心位置の修正を行って求めることができる。

 
トリム計算


復原性計算