復元てこ交差表(CROSS TABLE

船舶海洋工学シリーズ@:船舶算法と復原性より

4.5.2 復原力交叉曲線(cross curves of stability)
 復原力曲線は、船が排水量を一定に保ちながら横傾斜したときの復原力の変化を表しているが、一定排水量を保って横傾斜したときの水線 位置を求めることは一般に面倒である。また、 船の排水量が変化すれば、同じ手間の計算を排 水量ごとに繰り返し行う必要がある。そこで、 任意の排水量における復原力曲線を簡便に求め ることを目的として、復原力交叉曲線(cross curves of stability) が用いられる。
 複数の排水量に対して、一定の傾斜角
(一 般に15° 30°、45°、60°、75°90° ) における復原てこGZを求めると、各傾斜角ごとに図4.18に示すような横軸を排水量W、縦軸を復原てこGZとする曲線が得られる。これを復原 力交叉曲線という。復原力交叉曲線の横軸上の任意の排水量において垂線を立て、各傾斜角ごとのGZを読み取ると、その排水量に対する復原力曲線を得ることができる。
 図
4.19には、復原力曲線と復原力交叉曲線の関係を示している。傾斜角φ、排水量W、復原てこGZを表す各軸を図のようにとったとき、正面から見た場合の曲線が各排水量における復原力曲線、左手から見た場合の曲線が復原力交叉曲線である。
 力交叉曲線を作成する際には、船の横傾 斜角が
90°となった場合でも正の復原てこが得 られるように、低めの重心位置が仮定される。 いま、図4.20 に示すように、低めに仮定され た重心位置をG1、そのときの復原てこをG1Z1とすると、重心位置Gに対する復原てこ GZ は、次式のようにG1Z1を修正して求めること ができる。

         GZ = G
1Z1 - GG1sinφ


 参考に復元てこ表の一部を添付: